統合失調症 の発症頻度、知ってますか?
日本の 統合失調症 患者数はおよそ100人に1人です。今は認知症の患者さんがかなり増えていますが、それよりも多いです。
昔は精神分裂病という病名でしたが(日本航空350便墜落事故の頃)、今は統合失調症という病名です。つまり昔からある精神疾患です。
そこそこ学歴のある方に発症が見られることも多く、医学部の学生(1学年100人弱)なら1学年に1人くらい発症する人がいてもおかしくありません。
実際私の学生時代、学年で陽性症状を発症された方がいました。
この雑談のきっかけは転生アニメ
最近転生アニメが増えていますが、何々の生まれ変わりとか何々の子孫とかいうのは精神医学的には血統妄想だったよなぁ…と思い出したからです。
アニメは楽しめるけれど、本気顔で生まれ変わりとか子孫とか言う人が増えたら恐いな、と少し変な世界を思い描きました。
統合失調症の陽性症状(表に出るわかりやすい症状)には妄想、幻覚、思考障害などがあります。
妄想
先程の血統妄想は誇大妄想に分類される1つです。
他には被害妄想、関係妄想、微小妄想など多数あります。
幻覚
主に幻聴ですが、死ねと言われる幻聴が多いようです。
原因はまだわかっていませんが、1つの仮説が興味深いので紹介します。
幼少期から厳しく育てられた少年少女。
ある日精神的ストレスに耐えられなくなります。
自分は悪くない、自分は悪くない…
少年少女は自分のコピーを脳内に生み出して、精神的ストレスをコピーに受け止めてもらいます。
自分は悪くない、悪いのはこいつだよ…
青年期になり、コピーへの罪悪感からか、コピーが反撃してきます。
お前なんか死んでしまえ…
それが死ねという幻聴なのかもしれない、という説です。
ストーリー的には妥当だと思います。厳しい家庭環境に育った比較的学歴のある患者さんが多いこととも一致します。
その事実だけを捉えると、幼児、児童を持つ親への啓蒙だけでもある程度予防できるのではないかな、と私は考えています。
ただ、統合失調症は同じような症状を引き起こす病気をひとくくりにした症候群みたいなものですから、遺伝要因など様々な原因が存在するとされており、すべての撲滅には時間がかかるかもしれません。(あくまでも個人の意見です。)
血液や皮膚のようにサンプルを容易に採取できない所が精神医学の難しいところです。
思考障害
有名な思考障害に『考想伝播』というものがあります。
テレビに自分の考えが吸い取られて電波に乗せてみんなに周知されている、というものです。
他にもたくさん分類があるので、興味のある方は調べてみてください。
お薬について雑談
統合失調症は世界的にも発症頻度の高い疾患です。
製薬会社は当然開発に力を注ぎます。
統合失調症に効果のある薬品づくりを目指しますが、副作用が強い割に効果がない薬も誕生します。
その副作用が眠気を起こすもの → 睡眠薬
その副作用がややボーっとさせるもの → 酔い止めの薬
として市販に至っているものもあると、薬理学に詳しい先生から聞いたことがあります。
副作用が有用なものになるというのは面白いですね。