新型出生前診断 – NIPT について

NIPT

NIPT とは

NIPT (non-invasive prenatal genetic testing) は英文のとおり、非侵襲的な出生前遺伝子検査です。

つい最近までは、出生前遺伝子検査といえば妊婦さんの腹部(臍の下あたり)から羊水や絨毛を採取して検査をするという侵襲的なもので、母児ともに負担の大きい検査でした。

NIPT は妊婦さんの血液から遺伝子異常を検出するもので、検査技術の進歩に伴って現在も改良が続けられています。

厚生労働省ホームページの第8回 NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会(令和5年2月2日)
参考資料4によると、本指針に基づくNIPT の対象となる疾患は13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーとする、とされています。

トリソミーとは何か

trisomy

ヒトの染色体は常染色体44本と性染色体2本の計46本で構成されています。
つまり23対の染色体がありますが、そのうち21番目の染色体が3本存在すると21トリソミーと呼ばれます。

13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーにはそれぞれパトウ症候群、エドワーズ症候群、ダウン症候群という名称もあります。

NITP の原理

NITP-image

妊婦の血液(血漿成分)中には、少量の胎児由来の cell-free DNA
が循環しています。
母体由来の DNA 断片とともに胎児由来の DNA を分析することで、各染色体に由来する DNA 断片の量の差異を算出し、胎児の染色体数的異常の検出をしています。

理論的には、トリソミーでは正常と比べて1.5倍のDNAが検出されることになります。

先天性疾患に占めるトリソミーの割合

先天性疾患は出生児の約3~5%
染色体疾患はそのうちの 25%程度
NIPT の現行の対象疾患である 13、18、21 番染色体の3つのトリソミーは、染色体疾患の 70%程度を占める
『すなわち、数多くある先天性疾患のうち、NIPT が対象とするのは一部に留まる』


これは厚生労働省の文書抜粋です。確かに一部ではありますが、一部に留まるというのは表現的にいかがなものかと思うのは私だけでしょうか。

厚生労働省としての見解

厚生労働省では、NIPT の対象となる疾患は13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーとする、とされています。

これら3疾患以外の疾患については、分析的妥当性や臨床的妥当性が現時点では十分に確立されていない、という理由でした。
しかしこうも書かれています。
『技術的には今後、NIPT で検出可能な先天性疾患がさらに増えていく可能性がある。』

今後、技術の発展で検査精度が上がる可能性は十分にある、ということですね。
現状では3疾患についてはかなりの陽性的中度が認められているようです。


悩み事は認定遺伝カウンセラーに相談してみましょう

counseling

認定遺伝カウンセラーは遺伝医療を必要としている患者さんや家族に適切な遺伝情報、社会の支援体勢等の情報提供を行い、心理的、社会的サポ-トを通して当事者の自律的な意思決定を支援してくれる人たちです。

悩み事があれば相談してみて、まとまらない考えを整理してもらいましょう。
寄り添って考えてくれる人はとても大切です。

NIPT にかかる費用

NIPTは健康保険が適用されないので全額自己負担となります。
高額療養費制度や医療費控除の対象でもありません。

費用は検査項目によって幅がありますが、およそ10~20万円です。
ただしNIPT検査で陽性となったとき、その後の確定診断のための羊水検査は無料で行ってくれる所が多いです。(こちらも実際は10~20万円かかるので、無料で行ってくれるか確かめたほうがいいでしょう。)

NIPT をweb予約できるクリニック

web予約できるクリニックを紹介します。
どちらもカウンセラーの方がおられるので相談しやすいクリニックです。
また、検査陽性のときの羊水検査が無料のクリニックを選びました。
検査のための通院の利便性を考慮して、検査を受けられる提携病院の所在地を記しておきます。

青山ラジュボークリニック

東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄

DNA先端医療株式会社

北海道、青森、宮城、新潟
東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、群馬
愛知、静岡、岐阜、富山
大阪、兵庫、京都、滋賀
広島、山口、高知、愛媛
福岡、佐賀、熊本、長崎、宮崎、沖縄

平石クリニック

北海道、青森、宮城、新潟
東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、群馬
愛知、静岡、長野、岐阜、富山
大阪、兵庫、京都、滋賀
広島、山口、高知、愛媛
福岡、佐賀、熊本、長崎、宮崎、沖縄

八重洲セムクリニック・奥野病院

東京、大阪

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